リビング・モティーフは、東京・六本木で30年以上、上質な空間の中で選び抜かれた本物だけを提案し、日本のライフスタイルを牽引してきた先駆的存在です。我々はリノベーションにあたり、歴史と共に定着していた「本物・上質」というイメージに「鮮度」という新たなワードを加え、新しい情報や提案をお客様にプレゼンテーションするための二つのプログラムを店内に取り入れました。1つは「イベントスペース」。実験的なライフスタイルの提案や、ワークショップ・エキシビジョンが定期的に開催できる空間を、通行量の多い1階ファサード面に配置しました。この縁側のような空間が、車や行き交う人へのショーウィンドーとなり、発信と売場の二役を担います。もう1つは「ディスプレイエリア」。エントランスを入り、最初に視線が届く場所に受けとなる壁を配置して、常に変化するMDに呼応する自由度の高い場をつくりました。時々のMDテーマに沿って壁の彩色や造り込みが局所的に施され、来店の度に変化する景色に「鮮度」を感じてもらう仕組みです。そして、「鮮度」を表現する場の周囲には、それぞれのアイテムに合った家具を設えました。これらの家具は、目新しさと対を成すように穏やかでタイムレスな表現を心掛け、「本物・上質」を感じさせる素材、色調、形状を丁寧に探りながらデザインし、リビング・モティーフがこれまでに築いてきたオーセンティックな印象を継承しています。ここに来れば何かが見つかる。そんな好奇心を擽る空間でありたい。「本物・上質・鮮度」の3つがバランスよく絡み合う、新しく、これからも続いていくLIVING MOTIFです。
2015
クライアント : 株式会社アクシス
写真 : 荒木文雄