MOMENT

川崎市内にあるハウスメーカーのショールーム兼ライブホールの設計。川崎市は著名な音楽家を多く輩出しており、豊富な音楽人材と2004年に開館した音楽ホールが、産業で栄えた街から文化的な音楽の街に生まれ変わる契機となり、現在は「音楽の街・川崎」を掲げている。これを受けて主要用途のレセプション機能に加え、ライブステージを持つ音楽を介した活発な空間づくりが計画前提とされた。我々は、ライブを開催していない平常時においてもサウンドを予感してもらえるように「音の可視化」をコンセプトとし、目でも楽しめるライブホールのデザインを試みた。オーケストラの管楽器を連想させるゴールドの線材を室内に張り巡らせて建築の姿態を浮かび上がらせる。線材はバーカウンターから現れて天井を伝い、吹き抜けを横断して上階のサロンに到達し、ダイナミックな音の広がりを空間全体で表現している。斜めの線材は光を浴びて、また見る角度によって空間に独特な輝きを与えてくれる。また壁は吸音材で覆い、スピーカーを剥き出しに設えて音機能を露わにした。さらに、ライブステージとバーカウンターの材質にはチップ状の集成材を用い、パーカッションが奏でる音を擬音化して特徴を強めた。老若男女が訪れるこの場所に、誰でも瞬時に捉えられる音の集合が、開催されるライブの予感とサウンドの余韻をもたらしてくれる。

LIVE HALL VIEUNO

2018
クライアント : パナソニックホームズ株式会社
写真 : 荒木文雄