イッセイミヤケメンの服は糸一本から開発されている。服のルーツが糸(繊維)であるならば、服で仕切られた空間は、障子のように柔らかな仕切り持つ間に等しいのではないかと想像した。頭上に整然と並ぶ鉄の重量感で、囲われた実感と服の軽快さを助長してみせる。強固な壁をつくらずとも服で仕切ることにより、視界を遮りながらも向こう側の気配を伝え、光りを柔らかく通す。どこか日本的な佇まいを連想させたいと考えた。そして商業に立ち返れば、イッセイミヤケの服、すなわちクリエーションのみを浮かび上がらせる潔い店舗空間でありたい。
2017
クライアント : 株式会社イッセイミヤケ
写真 : 荒木文雄