MOMENT

BAO BAO ISSEY MIYAKEのブランド デビュー 1号店。いれるモノによって平面から立体に、複雑にかたちを変える三角ピースの集合体は、イッセイミヤケらしい高機能でユーモラスなプロダクトである。その個性を明確に浮かび上がらせるために「掛ける、置く、並べる」といった店舗に当たり前に必要な陳列機能を一から見直し、ひとつにまとめるデザインを試みた。わずか3坪の計画地。壁に埋め込まれたレールに角棒を好きな位置に差し込み、1つのパーツで自由な陳列を実現する機構を開発した。1本の角棒は商品を引っ掛けるのに適し、数本並べれば棚となり、本数の調節で陳列全体に纏まりや抑揚をつくることができる。また、照明機能を有する角棒を通電したレールに差し込むと瞬時に発光、棚下灯の役割もこなす。さらに、角棒の先端にはマグネットシートを貼り付けられ、プライス表記や商品説明などのグラフィックを掲出できる。空間からグラフィック表現まで、店舗に必要なすべての機能を1本のパーツに徹底的に集約することで、従来以上の可変性と端的な情報伝達を実現し、BAO BAO ISSEY MIYAKEのプロダクトを際立たせた。

バオバオ イッセイミヤケ 銀座

2010
クライアント : 株式会社イッセイミヤケ
写真 : MOMENT