アットアロマは、香りの製品開発から空間演出までを手がける、トータルなアロマブランド。空間デザインの指針としたのは「香りの可視化」。目に見えない香りを空間に立ち上げるために、一直線に伸びるオーク材のカウンターを設え、ガラスドームを整然と並べた。このドームは香りを静かに閉じ込め、手に取って香りを確かめるための装置でもある。透明なガラスの存在が、アロマを視覚的に際立たせ、香りと空間の境界を曖昧にしていく。ガラスの内側に広がる芳香にそっと顔を近づける所作は、ブランデーやワインを愉しむような、静謐で豊かな時間を想起させる。この一連の動きが空間にリズムを生み出し、香りと人との関係をシームレスにつないでいく。香りという目に見えない要素を媒介に、体験の質感と空間の構成が溶け合う。感覚のための場所がここにある。
2016
クライアント : アットアロマ株式会社
写真:荒木文雄