MOMENT

"Cloud Faces"

ME ISSEY MIYAKEのショップは、土地の輪郭に沿って形成されたフェンスによって、「クイックな発見」と「ゆったりとした滞在」という二つの体験を、ひとつの連続した空間に織り込んだ。全体を柔らかく包むのは、直径6mmの極細スチールを立体的に溶接して形成したフェンス。その構造は視線を透過しながらも、空間に揺らぎと彫刻的な輪郭を与え、まるで雲のように軽やかな存在として開かれた境界を描き出す。フェンスの外皮には等間隔でフックが組み込まれ、そこにパッケージ化されたトップスや雑貨が並び、都市に開かれた「クイックな発見」の場をつくり出していく。手に取りやすく、選びやすく、立ち寄りやすい。そんなスピードと偶然性のある体験が、ショップの外側に広がっていく。一方で、フェンスの内側には、試着や滞留を前提とした適度に囲われた空間が生まれていく。この白く立体的なフェンスは、数理的思考に基づいて設計された構造体でもあり、トップスを中心としたME ISSEY MIYAKEの服に宿る軽快さや色彩の豊かさを、空間全体へとシームレスに拡張する装置として機能している。

ミー イッセイミヤケ クラウド

2015
クライアント : 株式会社イッセイミヤケ
写真 : 荒木文雄