ロフト渋谷の地下1階にあるステーショナリー売場の空間設計である。ロフトの象徴とも言えるモデュール化された什器群にまたがるように、光のゲートを連続して掛けた。このゲートは、什器の配列に対して45度の角度をつけて規則的に連なり、売場全体に視覚的なリズムと奥行きを生み出し、空間の広がりやスケール感を来店者に直感的に伝える役割を担っている。ゲート同士が交差するところにディスプレイスペースを組み込み、光が一点に集まる効果を活かして自然と視線を誘導し、ディスプレイの魅力を際立たせた。行儀よく整列した什器によって生じがちな単調な動線に対しても、光のゲートが空間に動きをもたらし、回遊性を高めている。さらに、光のゲートの効果を最大限に引き出すため、空間全体の照度を意図的に抑えた。これにより光のラインがより印象的に際立ち、従来のロフト空間とは一線を画す、新たな体験を創出している。
2012
クライアント : 株式会社ロフト
写真 : Nacása & Partners